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医師が解説!「気象病」の1つ、6割以上が感じている!“秋バテ”の原因と対策

秋バテ

季節の変わり目の、なんともいえない頭痛、肩こり、倦怠感…なぜ起こる?

株式会社ユーグレナは、夏の終わりから秋にかけて、体調の変化を感じる人が少なくないという状況を受け、2022年8月に20歳から79歳の男女1000名を対象にして、夏から秋の季節の変わり目に感じる体調の変化について調査しました。

夏から秋の季節の変わり目に感じる体調の変化

株式会社ユーグレナが実施したインターネット調査の結果において、6割以上の人(609人)が何らかの体調の変化を感じていました。上位3つは「なんとなくだるい」(266人)、「疲れやすい」(259人)、「やる気が出ない」(182人)と続き、直接的な体調不調というより、“なんとなく”元気がない状態という実感を持つ人が多いようです。

具体的な身体のパーツの不調を感じる人も多く、「肩や腰などが凝る」(149人)、「頭痛がする」(119人)、目が通常より疲れる」(103人)という人も全体の10%を超えていました。「寝付けない」(110人)、「朝、なかなか起きられない」(101人)と、健康的な睡眠を維持できない人も目立ちます。
専門家によると、こういった季節の変わり目の原因不明の体調不良(不定愁訴)、実は「気象病」とも呼ばれ、体調管理をすることで軽減することができるといいます。医師の谷口英喜先生に、秋の入り口の不定愁訴の対策について解説いただきました。

谷口英喜先生
谷口英喜先生

季節の変わり目のだるさのメカニズム

秋の始まりは、暑さで体力を消耗した夏の後に、気温や気圧の変化に対応しようとすることで自律神経が乱れ、様々な「不定愁訴」が起こる人が増えます。
寒暖差に対応するため自律神経の一つである交感神経優位が続くと、エネルギー消費が増え、疲れやだるさを感じやすくなります。自律神経には、体を活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、2つがバランスをとりながら、心臓や腸、胃、血管などの臓器の働きを司っています。この自律神経、自分の意思ではコントロールできず、ちょっとしたストレスでもバランスが乱れてしまいます。
秋への変わり目は寒暖差のみならず、気圧の変動も自律神経に影響します。耳の奥の中耳のさらに奥に位置する内耳が、気圧低下などの情報をキャッチし、内耳の前庭神経を通って脳に伝達されることで気圧や気温の変化に適応しようとします。しかし、この一連の反応は交感神経を優位にさせて興奮状態を作るので、体にとってはストレスに。結果、抑うつやめまいの悪化、心拍数の増加、血圧の上昇、慢性的な体の痛みが悪化するなどの症状が顕著になることがあります。
夏場にエアコンに過剰にあたっていたり、暑くて寝付けないなどで昼夜逆転してしまって生活リズムが乱れている、栄養不足や消化不良により腸内環境の悪化を起こしているなどの要因で、秋への移行期に自律神経が乱れやすくなります。その結果、気圧や気温の変化についていけない体になってしまうのです。
急激に涼しくなるこの時期、つとめて自律神経のバランスを整える生活習慣を身に着けることは非常に重要です。また、自律神経を整えることは、免疫力の維持にもつながり、気温が低下して風邪や新型コロナへの抵抗力が落ちてしまうリスクを低減することにもつながります。

秋バテを防ぐための対策

1.規則正しい生活を。睡眠は6時間以上

1日は24時間なのに対して人間の身体のサイクルは実は25時間周期だといわれているので、体内時計を毎日リセットする必要がありますが、朝起きて太陽の光を目に入れることで体内時計が整い、自立神経が乱れにくくなるといわれます。
決まった時間に起床し、朝・昼・夜の食事を決まった時間に腹八分目に摂るという基本的なことを守ることが自律神経を整える一番の近道です。
睡眠は、疲労を回復するために最低でも6時間はとることをおすすめします。
質のいい睡眠にするために、眠る直前のブルーライトを避ける工夫、たとえば眠る前にパソコンやスマートフォン、テレビなどを見ないなどを心がけるのが好ましいです。

2.できれば毎日、軽く汗をかく程度の運動を。お風呂で汗をかくのでもOK

自律神経を整えるためにできることとして、軽く汗をかく程度の運動を毎日することを習慣づけるのもおすすめです。早歩きで10分程度歩く、ラジオ体操をする程度でもいいでしょう。
運動をする時間が取れないという人は、なるべくお風呂で湯舟に浸かって汗をかくことでも良いです。
40度くらいのお湯に20分は浸かるといいでしょう。

3.胃腸に負担をかけずに食物繊維を摂る

腸内環境が乱れることが自律神経バランスを崩す大きな要因になります。腸内の善玉菌が増え、消化がスムーズにできる環境を作るためには、善玉菌のエサになる食物繊維をたっぷり摂取することがおすすめです。
ただし、生野菜をたくさん食べる、などは、消化に時間がかかり胃腸に負担がかかります。味噌汁などで野菜を柔らかく茹でて食べる、食物繊維が豊富なユーグレナ飲料や青汁飲料を毎日飲むことを習慣づけるなどして、胃腸に負担をかけずに食物繊維をたっぷり摂るようにしましょう。
そのほか、乳酸菌を含むヨーグルトをユーグレナと合わせて摂ると善玉菌を増やす効果が上がるので、ユーグレナパウダーをかけたヨーグルトを朝食やおやつに取り入れるのもおすすめです。

4.水分補給を怠らない

水分不足は血流の低下につながり、知らない間に神経、臓器が酸素や栄養不足になり、不定愁訴につながることもあります。水分も、食事で摂る水分以外に飲み物で1日1.5リットル以上は摂るようにしましょう。緑茶やコーヒーなどのカフェイン飲料は利尿作用があるためそれらだけをガブ飲みするのではなく、麦茶や真水などを1日8回(朝起きたら・朝食時・午前中・昼食時・おやつ時・夕食時・入浴前・就寝前)など規則的にコップ1杯飲む習慣をつけるなど、脱水を起こさないようこまめに摂るのがおすすめです。

谷口英喜先生

監修:谷口英喜先生
(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長)

教えて!「かくれ脱水」委員会 副委員長、日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。栄養管理・麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液が専門。

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