ウォーキングで免疫力アップ!運動時間の目安と注意点を紹介!
最近よく風邪を引くようになったなぁ・・・何が原因なんだろう・・・?
ユーグレナ 鈴木
免疫力の低下が原因かもしれないですね。免疫力をあげるには適度な運動が効果的で、ウォーキングがおすすめです!
そうなんですね!普段ウォーキングをしないんですけど、どれくらいウォーキングすれば良いんでしょうか?詳しく教えてください!
ユーグレナ 鈴木
では、今回は「免疫力とウォーキング」の関係について解説します!
そもそも免疫力とは?運動との関係は?
まずは「免疫力とはどういうものか?」「運動をするとなぜ良いのか?」という基本的なことを解説していきます。
免疫力とは?
「免疫力」とは、私たちの体を守る防護システムである免疫の防御能力の強さのことです。
日頃私たちの身の周りにはウイルスや細菌のような有害なものがたくさん存在しています。
その有害なウイルスや細菌から身を守ってくれているのが免疫です。
自分自身の免疫力が強ければ、しっかりと有害なウイルスや細菌から身を守ってくれます。
しかし免疫力が低下していると、有害なウイルスや細菌から身を守れずに風邪を引いてしまったり、病気になる可能性が高まります。
なるほど…免疫力って大事なんですね!
ユーグレナ 鈴木
日頃から免疫力を高めていくことが重要です!
免疫力と運動の関係
免疫力を高める方法の1つとして「適度な運動をすること」が挙げられます。
なぜ運動をすることで免疫力が高まるのでしょうか?
その理由の1つとして、ウォーキングなどの適度な運動をすることで増殖する「ナチュラルキラー細胞」が挙げられます。
ナチュラルキラー細胞は体内でウイルスに感染した細胞や、突然変異などにより発生した異常な細胞を認識し、攻撃・破壊をする細胞です。
このナチュラルキラー細胞の増殖が免疫力向上につながるのです。
また他の理由として、筋肉量も免疫力の向上に深く関係しています。
筋肉量が多いと、運動をした際に体温があがりやすく、血行が良くなります。
そして、全身に酸素や栄養が行き渡ることで、免疫力の向上につながります。
ナチュラルキラー細胞が増殖すると風邪を引きにくくなるんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!免疫力向上と運動は密接に関係しています!
免疫力を上げるためのウォーキングの時間の目安は?
免疫力を上げるためには適度な運動が大切という話をしてきましたが、例えばウォーキングの場合どのくらいの時間が適切なのでしょうか?
厚生労働省が出している「健康づくりのための身体活動基準」を参考にウォーキングの時間の目安について説明していきます。
「運動強度」とその単位「メッツ(METs)」
ウォーキングの時間の目安を把握するためにまず知って欲しいのが、「運動強度」です。
「運動強度」とは、運動を行うとうきの不可や身体で感じる辛さのことです。
運動強度の代表的な指標の1つとして「メッツ(METs)」という単位があります。
メッツとは安静時を1として、その何倍のエネルギーを消費するか、という運動強度を表す単位のことです。
例えばウォーキングの場合、運動強度は4.3メッツとされているので、安静時と比べて4.3倍のエネルギーを消費するということになります。
メッツに関連して、「メッツ・時」という単位も存在します。
これは運動強度(メッツ)に運動をした時間(時)をかけたものです。
例えば、1時間ウォーキングを行った場合には「4.3メッツ×1時間=4.3メッツ・時」となります。
メッツって初めて聞いたなあ…
ユーグレナ 鈴木
メッツをもとに適切な運動時間を把握していきましょう!
18~64歳の人の場合
厚生労働省の基準では、運動強度が3メッツ以上のウォーキングを週に4メッツ・時行うと良いとされています。
具体的には息が弾み、汗をかく程度の運動を毎週60分ほど行うことが推奨されています。
例えば、ウォーキングであれば、運動強度が4.3メッツなので1時間行うだけで上記の基準を達成することができます。
ウォーキング以外だと、ボウリングや社交ダンスの運動強度が3メッツ、ラジオ体操第一であれば4メッツとされています。
上記の運動であれば毎週1時間~1時間半程度行うことが推奨されます。
週に1回、1時間ウォーキングを行うだけでも良いのか…
ユーグレナ 鈴木
ちょっと時間がある時にウォーキングをするだけで免疫力の向上につながります!
65歳以上の人の場合
65歳以上の高齢者の方は、歩行などの日常的な身体活動を週に10メッツ・時行うと良いとされています。
この10メッツ・時には、日常的に行われる洗濯や皿洗いなど日常生活での動作も含まれています。
洗濯の運動強度が2メッツ、皿洗いが1.8メッツとされています。
自身の普段の生活を振り返って、合計何メッツほどになるのか把握していきましょう。
足りない部分をウォーキングで補う場合は、ウォーキングの運動強度が4.3メッツということを念頭に置いて、何分行うが適切なのかを判断することが大切です。
18歳未満の人の場合
18歳未満の方に関しては十分な医学的な根拠がないため、定量的な基準は設けられていません。
しかしながら、文部科学省の小学校5年生と中学校2年生を対象にした「平成29年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」によると、体力テストの平均値が最も高かった1985年ごろよりも5~20%下回っていることが分かりました。
1週間のうちに体育の授業以外で運動をしない子供が増えている一方で、7時間以上運動している子供もおり、運動をしている子供としていない子供の二極化が進んでいます。
基準はありませんが、免疫力を上げる目的だけでなく、体作りという点でもできるだけ運動をすることを心がけましょう。
ウォーキングをする際の注意点
過度なウォーキングをしない
上述したように、適度なウォーキングは免疫力を高める効果がありますが、過度なウォーキングは免疫力の低下につながります。
極端な例にはなりますが、長時間激しいトレーニングをするアスリートは免疫力が低下しやすく、風邪などを引きやすいのです。
そのため、あくまでも免疫力を上げることを目的とするのならば、先ほど紹介した厚生労働省の目安を守っていきましょう。
ただし、ただのウォーキングといっても個々人によって年齢や体重などの体の状態が異なるため、辛いと感じる程度が異なります。
厚生労働省によると、きついと感じる運動は避け、「楽である」または「ややきつい」と感じるぐらいが適切とされています。
したがって、ウォーキングが辛いと感じる場合には、ウォーキングのペースを落としたり、ウォーキングの時間を減らしたりするなど、運動強度を落としましょう。
また、特に年齢が高い方は過度な運動により、足のけがや関節痛などの原因になる可能性もあります。
そのため負担が少ない水中運動や自転車運動などもおすすめです。
運動は大事だけど、運動のやりすぎはよくないってことか…
ユーグレナ 鈴木
そうですね。免疫力向上のために行っている運動が逆効果になってしまうので注意が必要です。
運動以外のことにも気をつける
免疫力を上げるためには、ウォーキングなどの運動だけでなく日々の生活習慣を整えることも重要です。
毎日しっかりとした食事を取ったり、十分に睡眠を取ったりすることを意識しましょう。
また、体調が優れない時には運動は控えるなど、自分の体の状態とも相談することが必要です。
免疫力を上げる食事や睡眠に関しては以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。
そういえば最近、睡眠時間が少なかったかもしれない…ご飯もあまり食べれてないし…
ユーグレナ 鈴木
そういった日常生活での積み重ねが免疫力の低下につながるので注意が必要です!
ウォーキング以外の運動の強度はどれくらい?
毎日忙しくて1時間もウォーキングの時間を取れない、ウォーキングだけだと飽きてしまうという方もいるのではないでしょうか?
そこでウォーキング以外の運動についても運動強度を表すメッツと一緒に表にしましたので、先述した厚生労働省の目安を参考にして運動するよう心がけましょう。
運動 | メッツ |
---|---|
ゆっくりした歩行(平地、非常に遅い=53m/分未満、散歩または家の中) | 2.0 |
全身を使ったテレビゲーム(スポーツ、ダンス) | 3.8 |
自転車に乗る(16km/時未満) | 4.0 |
テニス(ダブルス) | 4.5 |
水泳(クロール、46m/分未満) | 8.3 |
ランニング(188m/分) | 11.0 |
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準 2013」より作成
この表に載っていない運動のメッツも気になりますね!
ユーグレナ 鈴木
厚生労働省が出している「健康づくりのための身体活動基準 2013」には他の運動のメッツも載っていますよ!
まとめ
ここまでウォーキングの時間の目安と免疫力について解説をしてきました。
免疫力を上げるためには適度な運動をすることがとても大切です。
できるだけ毎日ウォーキングなどで体を動かして、免疫力を上げましょう。
先述してきたとおり、過度な運動はかえって免疫力を下げてしまうので注意が必要です。
当記事では目安となる運動の量をご紹介しましたが、あくまで目安です。
自分自身の体と向き合い、自分で辛いと感じる場合には運動強度を下げたり、運動する時間を減らしたりして調節をしましょう。
鈴木さん今日は「免疫力とウォーキング」について教えてくれありがとうございます!
ユーグレナ 鈴木
いえいえ!ぜひ免疫力向上のためにウォーキングをしてみてください!
はい!まずは週1回1時間のウォーキングから始めてみます!
出典
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準 2013」
監修:鈴木 健吾
(研究開発担当 執行役員)
東京大学農学部生物システム工学専修を卒業。 2005年8月、取締役研究開発部長としてユーグレナ創業に参画、同年12月に、世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。 2016年東京大学大学院博士(農学)学位取得、2019年に北里大学大学院博士(医学)学位取得。 現在、ユーグレナ社研究開発担当の執行役員として、微細藻類ユーグレナの生産およびヘルスケア部門における利活用に関する研究等に携わる。 マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院客員教授、東北大学・未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授を兼任。 東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点研究責任者。