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過度なランニングは免疫力を下げる!?ランニングと免疫力の関係を紹介!

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笑顔

最近風邪予防のためにランニングをしているんですよ!

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

それは良いことですね!どのくらいランニングをしているんですか?

納得

週に何回か、15km以上ランニングをしています!

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

過度なランニングは、体の免疫力を下げてしまう可能性もありますよ!今回はランニングと免疫力の関係や、適切なランニングの距離について解説をしていきますね!

免疫力と運動の関係

免疫力と運動

免疫力を高めるためには適度な運動をすることはとても大切です。
適度な運動をすることで、ナチュラルキラー細胞が増殖します。
ナチュラルキラー細胞は体内でウイルスに感染した細胞や、突然変異などにより発生した異常な細胞を認識し、攻撃・破壊をする細胞です。
このナチュラルキラー細胞の増殖が免疫力向上につながるのです。
他の理由として、筋肉量も免疫力の向上に深く関係しています。
筋肉量が多いと、運動をした際に体温があがりやすく、血行が良くなります。
そして、全身に酸素や栄養が行き渡ることで、免疫力の向上につながります。

過度なランニングは免疫力を下げてしまう!?

過度なランニング

確かにランニングなどの運動は免疫力を上げる効果が期待できます。
しかし、あくまで適切な量の運動ということが大事です。
過度なランニングなどの運動は逆に免疫力が下がってしまう可能性があります。
ある研究で56kmのマラソンに参加した人と参加しなかった人で風邪の症状が出たかどうかを比べたデータがあります。
マラソンに参加しなかった人は15.3%だったのに対して、参加した人は33.3%が風邪の症状が出てしまいました。
また、マラソン出場者の中でもトレーニングの時の走行距離が最も長い人たちと短い人たちでは長い人たちの方が2倍風邪にかかっていたということもわかっています。
このように過度なランニングは反対に風邪を招いてしまう結果になる可能性があります。

免疫力を上げるには適度な運動を

適度な運動

もちろん、適度な運動が免疫力を上げたというデータもあります。
45分間の運動を週5回、15週間継続した人たちと、何もしていない人たちで比べたときに運動した人たちの方が風邪を引いても風邪を引いた期間が短いというデータがあります。
また、週5日40分のウォーキングをしている高齢女性の風邪を引く確率は、運動をしていない人たちに比べて低いこともわかっています。
つまり、運動をしていない人と運動を多少している人を比べると運動を多少している人の方が、免疫力が高いということになります。
また、運動をしていない人と運動を多少している人、運動を激しくおこなった人を比べると運動を激しく行った人は免疫力が低いということがわかっています。
実際に激しい運動やトレーニングをするアスリートは免疫力が下がりやすく、風邪を引きやすいともいわれています。
したがって、免疫力を上げるためには、激しい運動を避けて、適度な運動をするように心がけましょう。

ウォーキングに関しては以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

疑問

過度なランニングが良くないっていうのはわかったんですけど、適度なランニングの目安ってどのくらいなんですか?

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

適度なランニングの目安については次で解説をしていきますね!

適度なランニングの目安はどれくらい?

適度なランニングの目安

適度なランニングの目安として、厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2013」というもので基準を示していますので紹介していきます。

運動強度とその単位「メッツ」

運動強度

ランニングの時間の目安を把握するためにまず知って欲しいのが、「運動強度」です。
「運動強度」とは、運動を行うとうきの不可や身体で感じる辛さのことです。
運動強度の代表的な指標の1つとして「メッツ(METs)」という単位があります。
メッツとは安静時を1として、その何倍のエネルギーを消費するか、という運動強度を表す単位のことです。

悩む

メッツって初めて聞いたなあ…

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

メッツを元に適切な運動時間を把握していきましょう!

18~64歳の人の場合

成人

厚生労働省の基準では毎日の日常生活での活動(身体活動)と、週に1日の運動を行うとしています。
具体的には下記のようになっています。
身体活動:強度が3メッツ以上の身体運動を週に23メッツ・時
運動:強度が3メッツ以上の運動を週に4メッツ・時
日常生活での活動は歩行(3メッツ)と同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上行うことが推奨されています。
例えば、掃除の場合は3.3メッツ、犬の散歩は3.0メッツです。
運動に関しては息が弾み、汗をかく程度の運動を毎週60分ほど行うことが推奨されています。
ランニングの場合、運動強度は以下のように設定されています。

運動 分速(時速) 運動強度
かなり速歩 107m/分(6.42km/時) 5.0メッツ
ゆっくりとしたジョギング 6.0メッツ
ランニング 134m/分(8.04km/時) 8.3メッツ

ゆっくりとしたジョギングには目安となる速さは明示されていませんでしたが、他の両者の中間速度である116m/分(7km/時)なのではないかと推測されます。
ランニングを例として、運動は毎週4メッツ・時ですので、1週間に30分ほどの時間を目安にランニングをしましょう。

納得

毎日のちょっとした身体活動と、週に一回ランニングを取り入れると良いんですね!

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

そうなんです!そうすることで免疫力の向上が期待できるでしょう!

65歳以上の人の場合

高齢者

65歳以上の高齢者の方は、歩行などの日常的な身体活動を週に10メッツ・時行うと良いとされています。
歩行の他にも、料理や食材の準備が2メッツ、ストレッチが2.3メッツとされています。
他の軽い身体活動だと料理や食材の準備が2メッツ、ストレッチが2.3メッツとされています。
60分料理や食材の準備をすると2メッツ・時になりますので、週に5日料理や食材の準備を朝昼晩していれば、およそ10メッツ・時かそれ以上になるでしょう。
ランニングをしなくても基準を満たしていることが多いので、体に負担をかけないためにもランニングをする時間数には注意が必要です。

疑問

他の運動や日常の活動はどのくらいのメッツになるんですか?

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

その他の運動強度については「健康づくりのための身体活動基準 2013」をご覧下さい!

18歳未満の人の場合

児童

18歳未満の方に関しては十分な医学的な根拠がないため、定量的な基準は設けられていません。
基準はありませんが、免疫力を上げる目的だけでなく、体作りという点でもできるだけ運動をすることを心がけましょう。

悩む

子供には基準がないんですね…

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

運動しないこともよくないですので、ちゃんと体を動かすることがおすすめですよ!

まとめ

まとめ

適度なランニングは、免疫力を上げる効果が期待できます。
しかし、過度な運動は逆に免疫力を下げてしまうことがあります。
そのため、当記事で紹介したような厚生労働省の基準を目安にランニングをしてみてください。

納得

鈴木さん今日は「免疫力とランニング」について教えてくれてありがとうございます!

ユーグレナ 鈴木
ユーグレナ 鈴木

いえいえ!ランニングをする際にはやりすぎないように注意してくださいね!

笑顔

はい!まずは1週間30分を目安にやっていきます!

鈴木 健吾

監修:鈴木 健吾
(研究開発担当 執行役員)

東京大学農学部生物システム工学専修を卒業。
2005年8月、取締役研究開発部長としてユーグレナ創業に参画、同年12月に、世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。
2016年東京大学大学院博士(農学)学位取得、2019年に北里大学大学院博士(医学)学位取得。
現在、ユーグレナ社研究開発担当の執行役員として、微細藻類ユーグレナの生産およびヘルスケア部門における利活用に関する研究等に携わる。
マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院客員教授、東北大学・未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授を兼任。
東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点研究責任者。

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