液性免疫ってなに?液性免疫の説明とはたらきについて解説!
液性免疫という言葉を耳にしたんですけど、どんな意味ですか?
ユーグレナ 鈴木
はい!液性免疫とは、獲得免疫の種類のひとつです!
そうなんですね!液性免疫について、わからないことが多いのでもっと教えてください!
ユーグレナ 鈴木
はい!それではまず、免疫の説明からしていきますね!
免疫とは
免疫は大きく自然免疫と獲得免疫の2つに分けることができます。
それでは、この2つの免疫がどんなはたらきをするのか解説します。
自然免疫
自然免疫は元々人の身体に備わっているしくみです。
自然免疫に含まれる免疫細胞は、自分以外の有害物質をいち早く認識し、攻撃することで有害物質を排除します。
自然免疫を代表する細胞としてマクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞、好中球やマスト細胞があります。
これらの細胞がはたらくことで、体内に侵入してきた有害物質を攻撃したり、有害物質の情報を他の免疫細胞に伝えたりします。
獲得免疫
自然免疫は血液中に入った小さい病原体や、細胞の中に入り込んでしまった有害物質の対処がむずかしいという特徴があります。
そこで活躍するのが獲得免疫です。
獲得免疫は1度侵入した有害物質の情報を記憶するという特徴があります。
この記憶した情報を使って1週間から2週間かけて抗体を作ります。
そうすることで再び同じ有害物質が侵入してきた際に、抗体で素早く有害物質に対処することができるのです。
獲得免疫を代表する細胞として、樹状細胞やキラーT細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、B細胞があります。
獲得免疫の細胞は有害物質を攻撃する抗体を作ったり、抗体の記憶、有害物質の攻撃、攻撃の制御などを行っています。
そして獲得免疫は、大きく分けて液性免疫と細胞性免疫の2種類に分けられます。
細胞性免疫については、こちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください。
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なるほど!免疫とはこのようになっているんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!ここでは、液性免疫についての説明をしていきますね!
液性免疫のはたらき
液性免疫は、B細胞とT細胞と抗体が中心となる免疫反応です。
獲得免疫の主な細胞のひとつである、ヘルパーT細胞の産み出すサイトカインによって、B細胞が刺激されます。
そうすると、刺激されたB細胞が変化し、形質細胞となり、身体を守るために大量の抗体を作り出せるようになります。
そして、作られた抗体は身体中の血液などの体液を循環して全身に広がるのです。
T細胞によって刺激されたB細胞の一部分は、アレルギーの原因である抗原を記憶しているメモリーB細胞となって、二度目の感染の際にすぐに抗原に対応できるようになります。
なるほど!液性免疫は、このようにして私たちの身体の中で機能しているんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!それでは、液性免疫によって作られた抗体がどのような役割を持つのか説明していきますね!
抗体の役割
抗体は、身体に侵入してきた有害物質に対してはたらくたんぱく質のことをいいます。
液性免疫によって大量に作られた抗体は、私たちの身体の中でどのようにはたらいてくれるのでしょうか。
それでは、具体的に抗体がどのようなはたらきをするのかについて解説していきます。
中和作用
抗体は体内に入ってきたウイルスや細菌などの有害物質を取り囲み、毒になる部分を覆い隠します。
ウイルスは、体内の細胞と結合することによって感染を引き起こします。
そこで、抗体がウイルスと細胞の結合を防ぐことによって、ウイルス感染を防ぐはたらきをします。
細菌の場合には、抗体によって細菌が作り出す毒素を中和させます。
つまり、抗体にはウイルスや細菌などの有害物質を中和するはたらきがあるということです。
補体の活性化
補体とは、たんぱく質で構成された成分のことをいいます。
この補体は、自然免疫のうちの1つで、体内に侵入してきた有害物質がどんな相手でも攻撃するという性質を持っています。
さらに、補体は体内に侵入してきた有害物質と抗体が結合することによって活性化されます。
活性化された補体は、細胞膜の破壊など有害物質からの感染に対する守りのはたらきもしてくれます。
オプソニン効果
抗体には、細菌やウイルスなどの有害物質と結合することによって貪食細胞の食欲を促進するというはたらきがあります。
貪食細胞とは、有害物質である細菌やウイルスを食べてくれる好中球やマクロファージのことです。
抗体や補体が、細菌やウイルスと結合することで、好中球やマクロファージなどの貪食細胞にとって美味しそうな有害物質となります。
このことから、「味付け」を意味する、「オプソニン」といわれています。
貪食細胞が細菌を食べることによって、ウイルスなどの有害物質を分解することができます。
ウイルス感染細胞の排除
ウイルスは1度細胞の中に入ってしまうと、侵入したウイルスへの対処をするのがなかなかむずかしくなってしまいます。
ウイルスが細胞の中で増殖すると、そのウイルスを抗体がいち早く発見し、目印をつけます。
そうすると、抗体がつけた目印に向かって自然免疫であるNK(ナチュラルキラー)細胞がかけつけ、ウイルス感染細胞を破壊し、排除してくれます。
なるほど!抗体の役割についてよくわかりました!
ユーグレナ 鈴木
はい!抗体を作るための免疫からしっかりと作ることが大切です!
免疫を上げるのに効果的な食べ物4選!
上で紹介した免疫細胞たちは、ウイルスや細菌などの有害物質から私たちの身体を守るのにとても大切な役割を果たします。
免疫細胞がしっかり機能するためにも、免疫力を上げることはとても大切です。
そこで、免疫力を上げるのに効果的な食べ物を紹介していきます。
ユーグレナ
ユーグレナは食物繊維を豊富に含みます。
また、食物繊維は腸内環境を整える作用や、善玉菌のエサになり、善玉菌を増やすはたらきがあるので腸内環境を整えるのに効果的です。
ユーグレナは海藻と同じ藻の仲間で、食物繊維を豊富に含んでいるので腸内環境を改善し、善玉菌と悪玉菌のバランスを調整する効果に期待ができます。
実際に、ユーグレナ社の研究で継続的なユーグレナの摂取が腸を正常なはたらきを促す成分の産生を助けることがわかりました。
善玉菌は、味噌やヨーグルトなどの発酵食品から摂取することができますが、善玉菌の中でも酪酸菌を含むのはぬか漬けくらいしかなく、食品から取り入れるのはとてもむずかしいです。
しかし、継続的なユーグレナの摂取で腸内フローラにおける酪酸菌の占有率と酪酸の産生が増すことが研究で確認されました。
酪酸菌は、大腸の主要なエネルギー源となり腸の正常なはたらきを支える役割を果たしています。
それに加えて、ユーグレナエキスは乳酸菌のはたらきを活性化させるということも研究によって確認されています。
研究内容については以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
ヨーグルト
ヨーグルトは、牛乳を乳酸菌で発酵させたものです。
乳酸菌は腸に達すると腸内の悪玉菌を抑えて、有害な物質が作られるのを防ぐという、腸内環境を整えるはたらきがあります。
腸は人間の免疫作用に大きく影響する免疫細胞が多く集まっています。
ですので、腸内環境を整えることは免疫力をアップさせる上で非常に重要です。
乳酸菌を豊富に含んだヨーグルトを飲み物として摂取することによって、効果的に免疫力を上げることが期待できます。
ヨーグルトや乳酸菌については以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
レンコン
レンコンには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は第6の栄養素ともいわれており、主な効果は腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させることです。
さらに、食物繊維は便秘の解消だけでなく、血糖値上昇の抑制や血液中のコレステロール濃度の低下などさまざまな効果が期待できます。
日本人の通常の食生活では食物繊維を摂りすぎることはほとんどないですが、サプリメントなどで摂りすぎた場合ミネラルなどの吸収を妨げることもあり、注意が必要です。
レンコンに関しては以下の記事でも詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
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きのこ
きのこに含まれているβ-グルカンは免疫力に関わりのあるNK(ナチュラルキラー)細胞などの白血球のはたらきを活性化させます。
そのため、風邪の予防をはじめ、がんを抑制する効果も期待できます。
また、β-グルカンには腸内環境を整えるはたらきもありますので、便秘で悩んでいるという人にも改善の効果が期待できるでしょう。
きのこについては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
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なるほど!これらの食べ物を食べることによって、免疫力を上げる効果が見込めるんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!これらの食べ物を取り入れて、免疫力を上げましょう!
まとめ
獲得免疫の種類のひとつである液性免疫は、B細胞とT細胞と抗体が中心となって作られています。
液性免疫によって大量に作られた抗体は、私たちの身体を守るのに重要な役割を果たします。
これらの免疫機能を十分にはたらかせるためにも、基盤となる免疫力が大切です。
免疫力を上げるのに効果的な食べ物を食べて、健康的な生活を心がけましょう。
今日は液性免疫について教えていただきありがとうございました!
ユーグレナ 鈴木
いえいえ、液性免疫をしっかり機能させるためにも免疫力を上げていきましょう!
はい、ありがとうございます!
監修:鈴木 健吾
(研究開発担当 執行役員)
東京大学農学部生物システム工学専修を卒業。
2005年8月、取締役研究開発部長としてユーグレナ創業に参画、同年12月に、世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。
2016年東京大学大学院博士(農学)学位取得、2019年に北里大学大学院博士(医学)学位取得。
現在、ユーグレナ社研究開発担当の執行役員として、微細藻類ユーグレナの生産およびヘルスケア部門における利活用に関する研究等に携わる。
マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院客員教授、東北大学・未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授を兼任。
東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点研究責任者。