乳酸菌は種類によって効果が違う?種類ごとの効果やより効果を高める方法について解説!
乳酸菌にはさまざまな種類がありますよね。効果もそれぞれ異なるんですか?
ユーグレナ 鈴木
はい。同じ乳酸菌でも、効果や特徴が大きく異なるため、得たい効果によって選ぶことが大切です。
乳酸菌の種類や効果について、もっと詳しく知りたいです。
ユーグレナ 鈴木
わかりました。それでは以下で解説していきます。
そもそも乳酸菌とは?
乳酸菌とは、炭水化物やオリゴ糖を分解して乳酸を作る細菌の総称であり、善玉菌に分類されます。
乳酸菌には、腸内の悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えたり、腸の機能を活発化させて排便を促す効果が期待できます。
そして、腸内には全身の免疫細胞のうち約7割が集まっているため、腸の状態が身体全体の健康に影響すると言っても過言ではありません。
乳酸菌はもともと腸内に存在しますが、ヨーグルトや乳酸菌飲料などから摂取することで、よりはたらきを活発化させることが大切です。
乳酸菌は腸内環境の改善に重要な菌なんですね。
ユーグレナ 鈴木
腸の調子を整えることは、免疫力の向上にも繋がりますので、積極的に乳酸菌を摂取しましょう。
動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の違い
乳酸菌は、「動物性乳酸菌」と「植物性乳酸菌」に呼び分けられる場合があります。
動物の乳や腸に生息する乳酸菌は「動物性乳酸菌」、野菜や果物などの植物に生息する乳酸菌は「植物性乳酸菌」です。
植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌と比較すると多くの環境で生育するため、腸でも生き残りやすいといわれています。
しかし、動物性と植物性のどちらであっても、菌の性質や遺伝子はほぼ同一であるため、科学的には上記のような呼び分けは相応しくないとされています。
「動物性」と「植物性」に呼び分けるのは、乳酸菌が生息する場所を比較する時のみなのですね。
ユーグレナ 鈴木
乳酸菌が生息する場所によって効果が異なるということはありません。
一般的な乳酸菌の種類5選とその効果
乳酸菌には多くの種類があり、それぞれ効果も異なります。
以下で、一般的な乳酸菌の種類やその効果について解説します。
プラズマ乳酸菌
体内の免疫細胞には上下関係があり、トップには免疫細胞の司令塔である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」が存在します。
そのpDCに唯一はたらきかけることができるのが、プラズマ乳酸菌です。
プラズマ乳酸菌のはたらきによって司令塔が活性化すると、それに合わせて免疫細胞全体のはたらきも活発になります。
他の乳酸菌にも免疫力を高める効果がありますが、免疫細胞の司令塔にはたらきかけることができる乳酸菌は、プラズマ菌のみと言われています。
乳酸菌シロタ株
乳酸菌シロタ株には、胃酸や胆汁に強く、生きたまま腸へ届くという特徴があります。
生きた乳酸菌シロタ株には、腸内で善玉菌を増やし、大腸菌などの悪玉菌の増加を抑えるはたらきがあります。
さらに、悪玉菌から発生する有害物質の生成も抑制する効果があるため、腸内環境を改善する効果が期待できます。
L‐92 乳酸菌
L‐ 92 乳酸菌には、アレルギーの症状を改善する効果が期待できます。
人間には、ヘルパーT細胞という免疫細胞があり、Th1細胞とTh2細胞に分けられます。
睡眠不足や栄養バランスの偏りなどが原因でTh2細胞が優位になると、免疫細胞のバランスが崩れ、皮膚炎や鼻炎などのアレルギーを引き起こす可能性があります。
L‐ 92 乳酸菌は、Th1細胞のはたらきを活発化させるため、免疫細胞のバランスを保ち、アレルギーの症状を改善する効果が期待できるのです。
ガセリ菌SP株
ガセリ菌SP株の主な効果は、内臓脂肪を減らすことです。
ある実験で、成人の男女がガセリ菌SP株を含んだヨーグルトを毎日食べ続けた結果、約3ヶ月で腹部の内臓脂肪が減少したことがわかりました。
ガセリ菌SP株の効果は科学的に認められているため、ガセリ菌SP株が含まれたヨーグルトは特定保健用食品として消費者庁から許可されています。
LG21乳酸菌
LG21乳酸菌には、胃で生き残りやすく、増殖もしやすいという特徴があります。
そんなLG21乳酸菌の主な効果は、胃炎や胃がんの原因となるピロリ菌を減らすことです。
ピロリ菌に感染した場合、病院で抗生物質による除菌治療が行われますが、抗生物質に対して耐性を持つピロリ菌も存在し、治療の成功率が低下しています。
しかし、LG21乳酸菌の摂取と抗生物質の治療を同時に行うことで、ピロリ菌の除菌成功率が10%高まるといわれています。
乳酸菌の種類によって、特徴や効果が大きく違うんですね。
ユーグレナ 鈴木
そうなんです。得たい効果によって摂取する乳酸菌を選んでみてください!
乳酸菌の効果をより高めるには?
腸に限らず身体全体に嬉しい効果のある乳酸菌ですが、より効果を高めるにはどのようにすれば良いのでしょうか。
以下で、乳酸菌の効果を高める方法について解説します。
毎日継続して摂取する
乳酸菌を摂取しても腸に留まり続けるわけではないため、毎日摂取することが大切です。
腸内に生息する菌の種類や数は人によって異なり、新たに摂取した乳酸菌が腸内で生き残り続けることはできないといわれています。
乳酸菌の摂取をやめてしまうと効果が徐々になくなってしまうため、少量でも継続するようにしましょう。
食物繊維やオリゴ糖を一緒に摂取する
乳酸菌とビフィズス菌の効果をより高めるには、食物繊維やオリゴ糖を一緒に摂取することがおすすめです。
食物繊維の一種である水溶性食物繊維やオリゴ糖は、善玉菌のエサになるため、乳酸菌とビフィズス菌のはたらきをより活発化させる効果が期待できます。
水溶性食物繊維は、わかめなどの海藻類やいも類、オリゴ糖はバナナや大豆などに含まれています。
また、乳酸菌のはたらきを活発化させるには、ユーグレナを摂取することもおすすめです。
ユーグレナとは、ワカメや昆布の仲間である藻の一種のことで、身体に良い59種類の栄養素がバランス良く含まれています。
ユーグレナが乳酸菌のはたらきを活性化させることが確認された研究について、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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乳酸菌を摂取しても、腸内に残り続けるわけではないんですね。毎日継続して乳酸菌を摂取しようと思います。
ユーグレナ 鈴木
ヨーグルトや乳酸菌飲料など、日常に取り入れやすいものから摂取してみてください!
まとめ
当記事では、一般的な乳酸菌とその効果や、より効果を高める方法などについて解説しました。
乳酸菌は種類によって特徴や効果が異なり、相性の良い乳酸菌は人それぞれであることなどを理解いただけたかと思います。
まずは得たい効果で乳酸菌を選び、効果が実感できるかどうか試してみてはいかがでしょうか。
多くの種類がある乳酸菌の中で、どれが自分に合っているのか試してみたいと思います。
ユーグレナ 鈴木
乳酸菌のはたらきをより活発化させるために、ぜひユーグレナも一緒に摂取してみてください。
監修:鈴木 健吾
(研究開発担当 執行役員)
東京大学農学部生物システム工学専修を卒業。 2005年8月、取締役研究開発部長としてユーグレナ創業に参画、同年12月に、世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。 2016年東京大学大学院博士(農学)学位取得、2019年に北里大学大学院博士(医学)学位取得。 現在、ユーグレナ社研究開発担当の執行役員として、微細藻類ユーグレナの生産およびヘルスケア部門における利活用に関する研究等に携わる。 マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院客員教授、東北大学・未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授を兼任。 東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点研究責任者。著書に『ミドリムシ博士の超・起業思考 ユーグレナ最強の研究者が語る世界の変え方』(日経BP)など。