要介護の5大リスクを高める「新型栄養失調(低栄養)」
全7回に渡ってお送りする「100歳時代の健康課題」と題したコラム、第3回目です。日本人の平均寿命が伸びていく中で、多くの方に健康な⽇々を過ごしていただけるような情報をお届けしてまいります。
要介護の5大リスクをもたらす要因の1つは、「新型栄養失調(低栄養)」だと考えられています。食べ物が豊富な日本において、実は今、低栄養が女性に急増し、問題になっています。高齢者にとってはとりわけ深刻で、寝たきりの人にその割合が高くなっています。低栄養は、「体重がどれくらいの割合で減少しているか」「血清のアルブミンの値が一定以下になっているか」といったことから判断*されます。65歳以上でBMI(体格指数)が20以下の場合、低栄養傾向と言われますが、65歳以上の女性全体の22.0%、つまり4~5人に1人がその低栄養傾向にあてはまります。85歳以上となると34.3%にも上り、3人に1人は低栄養傾向ということになります[図1-5] 。
2006年からの10年で、低栄養傾向は女性だけに有意に増加しています[図1-6]。もう一つの指標である血清アルブミン値は血液中のたんぱく質の一種で、比較的長期の栄養状態を反映するものです。65歳以上の高齢者においては、4.0g/dl以下が低栄養と考えられていますが、その比率が大きく伸びていることもわかっています[図1-7]。
*体格指数(BMI)、血清アルブミン値の他に、総コレステロール、ヘモグロビンの値も栄養の指標とされる。
出典:「平成28年 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/eiyouchousa/kekka_shintai_chousa_koumoku.html) 「平成15~21年 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/eiyouchousa/kekka_shintai_chousa_koumoku.html)をもとに株式会社ユーグレナ作成