ワクチンってどのように作られてるの?ワクチンの作り方や接種する前に気をつけることについて解説!
最近話題のワクチンなんですけど、そもそもワクチンってなんなんですか?
ユーグレナ 鈴木
はい!ワクチンとは、病原体の毒性を弱めたり無くしたりして身体に病原体の情報を記憶させるためのものです。
そうなんですね!そのワクチンはどのようにして作られているんですか?
ユーグレナ 鈴木
はい!それでは、ワクチンの作り方について紹介していきます。
ワクチンの作り方
ワクチンは、病原体の毒性を弱めたり無くしたり改良されて私たちのもとに届いています。
毎年接種するワクチンの形にするには、たくさんの病原体を作り出す必要があります。
さまざまな方法で培養されたワクチンは、厳しい試験を乗り越えて国家検定に合格したものだけがワクチンとして使用されています。
以下では、ワクチンがどのようにして作られているのかについて解説していきます。
孵化鶏卵培養法
孵化鶏卵培養法とは、受精しているニワトリの卵を用いた培養方法です。
この培養方法では、ニワトリの卵に小さな穴を開け、そこからウイルスを注入し、再びその穴を塞いでウイルスを培養させます。
3~4日後にウイルスを増殖させた卵に穴を開けウイルスを取り出します。
取り出したウイルスはホルマリンなどにつけて、ウイルスが増殖しないように手を加えます。
その後、厳しい試験に合格した死んだウイルスが約1年をかけて私たちのもとへワクチンとして届きます。
新型インフルエンザワクチンは、孵化鶏卵培養法で作られています。
ワクチンと卵については、こちらの記事でも紹介しているのでぜひご覧ください。
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動物接種法
動物接種法とは、動物の体内などでウイルスを培養させる方法です。
動物接種法では、大量にワクチンを培養することが可能です。
過去の日本脳炎ワクチンは、動物接種法で作られていました。
細胞培養法
細胞培養法は、栄養液だけで成長させた動物の細胞でウイルスを培養する方法です。
そして、培養液中に出てきたウイルスに増殖しないように手を加えます。
細胞培養法では、孵化鶏卵培養法や動物接種法とやり方は似ているものの、この2つよりも簡単で、原材料の制限がなく大量にウイルスを培養することができます。
平成21年度からの日本脳炎ワクチンは、細胞培養法で作られています。
他にも、麻しん風しん(MR)ワクチンや水痘ワクチンなどが細胞培養法で作られています。
遺伝子組み換え法
遺伝子組み換え法は、増殖された特殊な細胞にウイルスの遺伝子を挿入して行われます。
特殊な細胞にウイルスの遺伝子が挿入されることで、細胞内に対ウイルスのたんぱく質が作り出されます。
細胞内に作られたたんぱく質だけを取り出すことで、感染力のない安全なワクチンを作ることができます。
酵母細胞を使ったB型肝炎ワクチンは、遺伝子組み換え法で作られています。
なるほど!新型コロナウイルスのワクチンは、今までのワクチンとは違うんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!正しい知識を得て、安全にワクチンを接種しましょう。
新型コロナウイルスのワクチンはどうやって作られているの?
最近話題の「新型コロナウイルスのワクチン」は、今までのワクチンとは違う作り方をされています。
今までのワクチンは、ニワトリの卵や動物の細胞などを使ってウイルスが培養されていました。
その一方で、新型コロナウイルスのワクチンは、mRNAワクチンといってウイルスそのものを接種するのではなくウイルスの外側のたんぱく質の設計図を接種します。
この設計図をもとに、体内でたんぱくが作られることによって、ウイルスが記憶され、新しくウイルスが入ってきた時に異物として対処できるようになります。
今までのワクチンと、新型コロナウイルスのワクチンの作り方で大きく違うのは、ワクチンが作られている場所です。
今までのワクチンが、身体の外で作られてから体内に接種するのに比べて、新型コロナウイルスのワクチンは、設計図を体内に接種し、自らの身体の中でワクチンを作り出すのです。
ワクチンを受ける前に気をつけなきゃいけないことがあったんですね!
ユーグレナ 鈴木
はい!免疫力を高めた状態でワクチンを接種しましょう!
ワクチン接種前に気をつけること
ワクチンは、ニワトリの卵や動物の細胞を使って培養されています。
そして、ワクチン接種前には、普段通りの規則正しい生活をすることがとても大切です。
ワクチンは、免疫力がしっかり身体に備わっているとよりワクチンの効果を発揮することができます。
しかし、37.5℃以上の発熱がある人や、重い急性疾患にかかっている人、過去にアナフィラキシーを起こしている人はワクチンを接種することができません。
さらに、ワクチンで抗体を得るためには日頃から免疫力を高く保つことが大切です。
ヨーグルト、漬物、納豆などに含まれる乳酸菌や納豆菌は腸内環境を整えることが知られています。
免疫細胞の70%は腸内にいるとされ、腸内環境が整うこと自体が免疫力の向上につながるといわれています。
また、藻の仲間であるユーグレナ特有成分である「パラミロン」は免疫力の向上や免疫バランスの調整に寄与することがわかっています。
そのため、ユーグレナやヨーグルトなどを日頃から食べるようにすると良いでしょう。
免疫力とユーグレナの関係性については、こちらの記事をご覧ください。
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ワクチンを受ける前に気をつけなきゃいけないことがあったんですね!
ユーグレナ 鈴木
はい!免疫力を高めた状態でワクチンを接種しましょう!
ワクチンを接種する意味
上では、ワクチンがどのように作られるのかについて4つの方法を紹介しました。
まず、ワクチンとは、病原体の毒性を弱めたり無くしたりしたもののことをいいます。
そして、ワクチンを接種することを予防接種と呼びます。
そんなワクチンには、「個人を守る」と「社会を守る」の2つのはたらきがあります。
ワクチンを接種することによって、特定のウイルスに対する身体の中の防御力である免疫が作られます。
また、多くの人が特定のウイルスに対するワクチンを接種することで、そのウイルスの集団感染を未然に防いだり、感染を最小限に抑えることが可能になります。
これは、病気などでワクチンが接種できない状況にある人たちのことも守ることになります。
ワクチンと免疫については以下の記事でも紹介しているので、ぜひご覧ください。
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ワクチンには、「個人」と「社会」の両方を守るはたらきがあるんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!「個人」と「社会」を守ることは、とても大切なことなんです!
まとめ
ワクチンとは、病原体の毒性を弱めたり無くしたりしたもののことをいいます。
大量に必要となるワクチンは、4つの方法で培養されています。
私たちのもとに届くまでに、厳しい試験を合格してきたワクチンの作り方やはたらきを理解して正しくワクチンを接種しましょう。
今日は、ワクチンの作り方について教えていただきありがとうございました!
ユーグレナ 鈴木
はい!正しい知識を身につけて、安全にワクチンを接種しましょう。
はい、ありがとうございます!
監修:鈴木 健吾
(研究開発担当 執行役員)
東京大学農学部生物システム工学専修を卒業。 2005年8月、取締役研究開発部長としてユーグレナ創業に参画、同年12月に、世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。 2016年東京大学大学院博士(農学)学位取得、2019年に北里大学大学院博士(医学)学位取得。 現在、ユーグレナ社研究開発担当の執行役員として、微細藻類ユーグレナの生産およびヘルスケア部門における利活用に関する研究等に携わる。 マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院客員教授、東北大学・未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授を兼任。 東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点研究責任者。