ワクチンとは?ワクチンの種類や副反応、気をつける点など基本情報について解説!
最近ワクチンの話題を耳にする機会が増えましたね。
ユーグレナ 鈴木
コロナウイルスのワクチンなどでよく聞くようになりましたね!
ただあまりワクチンのことについて知らないので詳しく教えてください!
ユーグレナ 鈴木
はい!では今回はワクチンについて解説していきますね!
ワクチンとは
そもそもワクチンとは、接種することで感染症の予防に有効な作用を持つ医薬品のことをいいます。
ワクチンは身体の免疫の仕組みを利用していて、ワクチンを接種することで感染症に対する抵抗力をあらかじめ作り出しておきます。
そのためワクチンを前もって接種することで、インフルエンザやコロナなどの感染症にかかりにくくなるのです。
ワクチンには感染症に合わせてさまざまな種類があり、製造方法が違ったりワクチンによる副反応があるのでそれぞれ解説をしていきます。
ワクチンを接種することで感染症にかかりにくくなるんですね!
ユーグレナ 鈴木
はい!次にウイルスごとのワクチンの種類について解説しますね!
ウイルスごとのワクチンの種類
ワクチンには、コロナワクチン、インフルエンザワクチンなどたくさんの種類があります。
ここでは、国内で幅広く接種されている主要なワクチンについて解説します。
コロナワクチン
厚生労働省によると、コロナワクチンを接種することで、コロナによる咳や発熱の症状を抑えたり、コロナの重症化を防ぐ効果があるということです。
コロナワクチンは1回目の接種の後、一定の間隔を空けて2回目の接種が必要です。
コロナワクチンを2回接種することで、95%の有効性で発熱や咳などの症状を防ぐことができるとされています。
また、現在国内で接種できるコロナワクチンは、ファイザー社とモデルナ社のワクチンです。
インフルエンザワクチン
インフルエンザは、発熱、関節痛、のどの痛みなどが主な症状とされている他にも、高齢者は肺炎の原因になってしまう可能性があります。
インフルエンザワクチンを接種することで、発熱などの症状を抑えたり、重症化を予防する効果が期待できます。
また、インフルエンザワクチンによって獲得した免疫の有効期間は約5ヶ月だとされています。
インフルエンザは、毎年12月から3月にかけて流行するため、11月頃にインフルエンザワクチンを接種すると良いでしょう。
麻しんワクチン
麻しんは、麻しんウイルスによって発症する感染症です。
感染力が強く、高熱や発疹が主な症状ですが、肺炎などの合併症を引き起こすことも多いので、注意が必要です。
麻しんワクチンは、1歳から2歳の間で1回目の接種をした後に、5歳から7歳の間で2回目の接種をするように推奨されています。
また、厚生労働省によると麻しんのワクチンを接種することで、約95%の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得できるということです。
日本脳炎ワクチン
日本脳炎は、人から人へと感染することはありませんが、日本脳炎ウイルスに感染した蚊に刺されることで人にうつるとされています。
高熱、頭痛、意識障害などが主な症状である他にも、けいれんや麻痺といった後遺症が残る可能性もあるので注意が必要です。
日本脳炎のワクチンは合計4回の接種が必要です。
3歳で初回接種と2回目、4歳で3回目、9歳で4回目の接種を受けるのが標準的なスケジュールだとされています。
日本脳炎ワクチンを接種することで、日本脳炎に感染するリスクを大幅に下げる効果が期待できます。
BCGワクチン
BCGワクチンは、結核を予防するためのワクチンです。
結核は、結核菌によって発症する感染症で、厚生労働省によると現在でも毎年およそ15,000人が結核に感染しているということです。
咳や胸痛が結核の主な症状ですが、初期症状も軽く比較的ゆっくりと進行するため、感染していることに気付くのは難しいとされています。
2週間以上咳が続く場合は、念の為医療機関を受診するようにしましょう。
BCGワクチンは1歳になるまでに1回の接種が必要です。
BCGワクチンを接種することで、結核が発症するリスクを50%以上下げることができるとされています。
こんなにさまざまな種類のワクチンがあるんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!続いてワクチンの製造方法の違いを解説していきます!
製造方法ごとのワクチンの種類
ワクチンは作り方によって大きく3つに分けることができます。
ワクチンの種類によっては、間隔を空けて2回目以降の接種が必要なものもあります。
ワクチンの接種回数や、接種間隔の違いには、ワクチンの種類が大きく関係します。
以下では、それぞれの違いについて解説していきます。
生ワクチン
生ワクチンは生きた病原体を接種するワクチンです。
生ワクチンの製造では、まず病原体の培養を何度も繰り返します。
培養を繰り返すことで、病原体は身体に影響が出ないくらいまで毒性が弱くなるとされています。
毒性が弱くなった病原体は、精製した後に個別包装して出荷されます。
生ワクチン接種による免疫獲得までにおよそ1ヶ月かかるとされていますが、1回の接種で十分な効果を得ることができます。
また、BCGワクチン、麻しん、おたふくかぜ、黄熱病のワクチンが主な生ワクチンです。
不活化ワクチン
不活化ワクチンは、病原体の毒性を無くして接種するワクチンです。
病原体を培養した後に、精製するところまでは生ワクチンと同じです。
しかし、不活化ワクチンは、病原体の毒性を無くすために不活化した後に、個別包装して出荷されます。
1回の接種で十分な免疫を獲得することは難しいので、不活化ワクチンは複数回の接種が必要だとされています。
また、インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチンが主な不活化ワクチンです。
トキソイドワクチン
トキソイドワクチンは、病原体から毒素だけを取り出して、その毒素を無害化して作られるワクチンです。
トキソイドワクチンも、不活化ワクチンと同じように、十分な免疫を獲得するためには複数回の接種が必要だとされています。
また、破傷風やジフテリアのワクチンが主なトキソイドワクチンです。
ワクチンの作り方にもさまざまな種類があるんですね!
ユーグレナ 鈴木
はい!次にワクチンの副反応について解説しますね!
ワクチンの副反応について
ワクチンの接種によって、身体に免疫反応が起こり、その免疫反応によって感染症を未然に防いだり、軽症化できたりします。
このワクチンによる免疫反応の他に、発熱や接種部位の痛みなどが起こってしまう場合があります。
この発熱や接種部位の痛みなどを副反応といいます。
以下では、ワクチン接種によって引き起こされる可能性のある副反応について解説していきます。
ワクチン接種部位の腫れ
ワクチンを接種した部位が赤くなり熱を持って腫れてしまうといった副反応は、どのワクチンでもみられることが多いです。
ワクチンの中でも、接種部位が赤くなり腫れるという症状が多くみられるのは四種混合のワクチンです。
ワクチンによる赤い腫れに特別な治療が必要なわけではありませんが、まれに、接種部位から大きく広がり、肘まで腫れる場合もあります。
ワクチンによる腫れが大きく広がってしまった際には、腫れを取る薬を塗るか、かかりつけの医師に相談をするなどして対策をしましょう。
ワクチン接種後の発熱
ワクチンを接種した際に、熱が出てしまうという副反応がみられる場合があります。
発熱の発生頻度としては、ワクチンを接種してから1週間前後が最も高く、生ワクチンでの接種で発熱の副反応が出る場合が多いです。
生ワクチンは、病原体の毒性を弱めて使うので、副反応がみられる可能性があります。
実際に、生ワクチン接種による発熱の副反応がみられるワクチンは、麻しんワクチンが代表的です。
生ワクチンを使用している麻しんワクチンでは、副反応として熱が出てしまうケースが約20%ほどあります。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーとは、ワクチンを接種した後30分以内で発症することが多い過敏反応のことです。
アナフィラキシーの特徴として、皮膚や粘膜、呼吸器や循環器などの複数の場所に同時に症状があらわれるなどがあげられます。
この中でも、急激な血圧低下や意識障害が起きてしまうことをアナフィラキシーショックといいます。
副反応が起きる可能性も考慮しておかないといけないですね...
ユーグレナ 鈴木
はい!十分に注意しましょう!
予防接種の種類
そもそも予防接種とは、あらかじめ病気にかかりにくくするために、弱体化されたワクチンを接種することをいいます。
そして予防接種は、定期接種と任意接種の2種類があります。
以下では、それぞれ定期接種と任意接種について解説していきます。
定期接種
ワクチンの定期接種は、主に法律に基づいて市区町村が主体となって行われます。
定期接種の場合、ワクチン接種にかかる費用は国から支払われることがほとんどです。
定期接種の例としては、B型肝炎や結核などがあげられます。
各市区町村によって、実施される予防接種の種類などが異なるので、お住まいの地域に問い合わせてみるのがおすすめです。
また、定期のワクチン接種による健康被害が生じた場合には、救済給付を行うための制度があるので、お住まいの地域にご相談ください。
任意接種
ワクチンの任意接種は、各自が希望して感染症にかかったりするのを防ぐために受ける予防接種のことをいいます。
任意接種の場合、ワクチン接種にかかる費用は自己負担となります。
任意接種の例としては、季節性インフルエンザなどがあげられます。
また、任意のワクチン接種による健康被害が生じた場合には、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による救済制度があるので、そちらにご相談ください。
なるほど!予防接種には、定期と任意の2種類があるんですね!
ユーグレナ 鈴木
そうなんです!予防接種は積極的に受けるようにしましょう!
ワクチン接種前に気をつけること
ワクチン接種前は、普段通りの規則正しい生活をすることがとても大切です。
ワクチンは、免疫力がしっかり身体に備わっているとよりワクチンの効果を発揮することができます。
そして、ワクチンは37.5℃以上の発熱がある人や、重い急性疾患にかかっている人、過去にアナフィラキシーを起こしている人はワクチンを接種することができません。
さらに、ワクチンで抗体を得るためには日頃から免疫力を高く保つことが大切です。
ヨーグルト、漬物、納豆などに含まれる乳酸菌や納豆菌は腸内環境を整えることが知られています。
免疫細胞の70%は腸内にいるとされ、腸内環境が整うこと自体が免疫力の向上につながるといわれています。
また、藻の仲間であるユーグレナ特有成分である「パラミロン」は免疫力の向上や免疫バランスの調整に寄与することがわかっています。
そのため、ユーグレナやヨーグルトなどを日頃から食べるようにすると良いでしょう。
免疫力とユーグレナの関係性については、こちらの記事をご覧ください。
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ワクチンを受ける前も注意することがあったんですね!
ユーグレナ 鈴木
はい!免疫力を高めた状態でワクチンを接種しましょう!
ワクチン接種後に注意すること
ワクチン接種後には、ワクチン接種部位の腫れや発熱などの副反応がみられることが多いです。
また、ワクチン接種後の行動によっては、ワクチンによる副反応を悪化させたり、症状を長引かせたりしてしまうものもあります。
以下では、ワクチン接種後に避けた方が良いことについて紹介していきます。
激しい運動
ワクチンが正常に機能するためには、身体の免疫がとても重要な役割を果たします。
激しい運動をしてしまうと、運動による疲労から一時的に免疫力が低下してしまいます。
ワクチンを正常に機能させるためにも、ワクチン接種後は激しい運動は避けて安静に過ごすことをおすすめします。
過度の飲酒
厚生労働省では、ワクチン接種後の飲酒について明確にガイドラインが定められているわけではありません。
ですが、大量にお酒を飲んでしまうとワクチンによる副反応が出た際に、悪化しやすかったり、症状が長引いたりしてしまう可能性があります。
ワクチン接種後の副反応が悪化しないためにも、接種後の過度の飲酒は避けた方が良いでしょう。
なるほど!ワクチン接種後は、激しい運動や過度の飲酒には注意した方が良いんですね!
ユーグレナ 鈴木
はい!ワクチン接種後はなるべく安静に過ごすようにしましょう。
まとめ
ワクチンと予防接種にはさまざまな種類があります。
予防接種は自分の身体を守る以外にも社会全体でウイルスを流行らせないという役割もあります。
市区町村やかかりつけの医師に相談して、必要なワクチンを接種するようにしましょう。
今日はワクチンについて教えていただきありがとうございました!
ユーグレナ 鈴木
いえいえ!ウイルスから身体を守るためにも積極的にワクチンを接種しましょう!
はい、ありがとうございます!
監修:鈴木 健吾
(研究開発担当 執行役員)
東京大学農学部生物システム工学専修を卒業。 2005年8月、取締役研究開発部長としてユーグレナ創業に参画、同年12月に、世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。 2016年東京大学大学院博士(農学)学位取得、2019年に北里大学大学院博士(医学)学位取得。 現在、ユーグレナ社研究開発担当の執行役員として、微細藻類ユーグレナの生産およびヘルスケア部門における利活用に関する研究等に携わる。 マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院客員教授、東北大学・未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授を兼任。 東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点研究責任者。